よみもののきろく

(2010年2月…585-590) 中段は20字紹介。価格は本体価格(税別)。 もっと古い記録   よみもののきろくTOPへ  もっと新しい記録
585. 「月のかぐや Kaguya on the Moon」     JAXA(宇宙航空研究開発機構)編
2010.02.01 一般書 141P 1300円 2009年11月発行 新潮社 ★★★★★
月観測を行なった国産人工衛星かぐやの軌跡


【100字紹介】
 2007年9月14日、種子島宇宙センターから
 月周回衛星SELENEは、おきな・おうなの子衛星とともに
 月へ向かった。愛称はかぐや。
 壮大なかぐやプロジェクトの成果の一部と
 エピソードを満載した、月の写真集。


多くの話題と素敵な写真とデータを我々に届け続けてくれた
「かぐや」こと月周回衛星SELENEは、
2009年6月11日に、月面に制御落下し、その役目を終えました。
本書は「かぐや」の成果のごく一部を、一般にも分かりやすく提示し、
月の表面の姿を見せてくれる写真集的広報本です。

全体の6割以上を占めるのが「I. 月の名勝地をめぐる」。
ほぼ全ページが写真で構成され、説明の文章が加えられています。
たっぷりと月の表面を堪能できることうけあい。
ついでにちょっと掘り下げた月知識も得られて、
天文大好きな在野の準研究者にも、
月はまったく知らないやな完全一般人の素人にも、
楽しめる内容になっています。

その後は

II. かぐやプロジェクト
III. かぐやの科学的発見
IV. さようならかぐや

IIでは、プロジェクトを立ち上げ、支え、打ち上げまで持っていった
人々の寄稿と、かぐやプロジェクトの簡単な内容と推移、
IIIでは、得られたデータに対する簡単なまとめや考察、
IVでは、今回のプロジェクトを踏まえた、今後の方向性が
関係者の寄稿から語られます。

IIの扉は、打ち上げられた日付と打ち上げ写真の見開きページ、
IVの扉は、かぐや落下の日付と、推測される落下地点の画像がやはり見開きで。
何だか、とても泣けてくるのは何故でしょう。
思わず、「かぐやー!!」と叫びたい菜の花がここに(苦笑)。
宇宙系のプロジェクトって、大学では隣の研究室がやっていたりして、
かなり身近に感じていたから、というのもありそうですが。
何というか、ロマンがありつつ、現実にぶち当たりつつ、
いっぱい苦労があって、いっぱい嬉しいこともあって、
みんなで分かち合いつつ、その集大成が素晴らしい成果を出し、
そして役目を終えて散っていく…祭りの後のような一抹の淋しさ。


Iで最初にどーんと目にも分かりやすい成果を提示し、
その後にプロジェクトの過去の経緯・現在の成果・未来の方向性を
淡々と語っていく、というのはとても印象的な構成。
ただ、「かぐや」をまったく知らない人だと、
IIにたどり着くまで「???」になりそうですね…。
まあそれはそれで楽しい、かも?


テーマ : かぐやプロジェクト
語り口 : 説明文章と関係者寄稿
ジャンル : 一般教養
対 象 : 一般向け
雰囲気 : 科学的なのに感傷的
執筆者 : 渡部潤一、林公代
ブックデザイン : ベター・デイズ
 (大久保裕文、河野章太)

文章・展開 : ★★★★★
簡 潔 性 : ★★★★
学 術 性 : ★★★★
独 自 性 : ★★★★
読 後 感 : ★★★★★

総合評価 : ★★★★★
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586. 「トーマの心臓」     萩尾望都
2010.2.2 漫画 461P 700円 1995年5月発行 小学館文庫 ★★★★★
1人の少年の死がもたらす、愛と試練の物語


【100字紹介】
 冬の終わりの朝、1人の少年が死んだ。
 そしてユーリに残された1通の手紙。
 「これが僕の愛、これが僕の心臓の音」。
 信仰の淵でもがくユーリ、想いを秘めるオスカー、
 母への盲目の愛に満ちたエーリク。少年達の愛の形


先月、森博嗣のノベライズ版の同名作品を読みましたが、
ついに原作である漫画版を読む機会がやってきました。

基本エピソードは当然、ノベライズ版と同じ…というか、
逆ですね、ノベライズ版の方が同じなのですが、
色々と設定に違いもあり。

全体的に、原作「トーマの心臓」はふわふわとした、
憧れと恋心と友情がいっしょくたになったような少年の愛とか、
親子の切っても切れないような深いつながりとか、
心情的なものを感傷的に、象徴的に、そして映像的に、
…うん、そうですね、「映画のように」見せる感じ。
逆に言うと、ことばにあまり頼っていないというか。
こういう言い方をするとファンが怒りそうなのですが、
印象に残る強いセリフやことばが、本作には殆ど出てきません。
主なエピソードとしてすぐに挙げられるものも少ない。
でも、何らかのイメージと、印象は残っているのです。
下手な語り手なら、印象深い素敵なエピソードを連ね、
そのエピソードのみが作品を強調し、象徴するようなものを作るでしょう。
が、本作は全体が一体となって、ひとつの物語を構成しているのです。

これに対して、ノベライズ版はオスカーに焦点をあて、
キャラは理系で、歳はもう少し上。
このためもやもやとした心情の曖昧を残しつつも、
理知的な思考が全編に渡って発揮されるため、
物語はかなり明快・明瞭でした。
その辺りが原作者である萩尾氏によって、
「澄んだ美しい物語」と評された所以ですね。

何というか、そのどちらが優れている、というわけではない、
というのがよく分かりました。
漫画と小説という、メディアの違いを十分に見越し、活かした結果、
ノベライズはあのような物語になったのだな、と。
さすが、萩尾ファンを標榜する森氏だけあって、
小説になったとき、そして自分の持っている背景知識で
最も綺麗に取りまとまるのは何か?を考え、抽出して再構成したのが、
ノベライズ版だったのだ、と。
…と、後半はちっともこの作品自身の話ではなく、
ノベライズ版の話になってしまいましたが。
なかなか興味深い試みだったと思います。

ちなみに、菜の花の個人的好みでは、
原作である漫画より、ノベライズの方が好きです。
まあ、「?」な部分も多々ありましたけど。
原作によって、それらが補完された気がします。
特にエーリクの事情と心情の動きは、
原作を読んでようやく理解です。
トーマについては漫画でも小説でも、いまいち納得できないままでしたけど。
菜の花の中で彼は、共感できないキャラランキング、堂々1位です。
多分に宗教的な雰囲気を感じるというか。難しいです。


それにしてもこの漫画、登場人物の殆どが男の子なのに、
このキスシーンの多さは何なんですかね!?
何だか倒錯愛だなあ…と思ってしまう菜の花は、
心の狭い人でありましょうか…。それとも、もう若くない?
うーん。。。
オスカーはかっこいいです。という、
普通なセリフも残しておきます。
彼は少女漫画には欠かせない役回りでありましょう!
自分自身も成長しつつ、周りの人物を支え、導き、
そして最後に主人公の背中を押す。
ノベライズ版で、彼が主人公に選ばれたのは納得です。
まあ、あちらでは自身の成長・変化の描写が多くて、
どれくらいうまく、彼が周りを支え、導いたかは不透明ですけれども。

あと、バッカスも最高です。素晴らしいです。
しかし、とても同じギムナジウムの学生には見えません。
幾ら先輩といっても、どうなっているのでありましょうか。
ま、そこは漫画なので。


菜の花の一押しキャラ…オスカー・ライザー 「そうだよ ぼくのカード ぼくのショーカー  でも                    ぼくの望んだことは―            気づいてくれることだったんだ        きみでも 彼でも              ぼくが愛してるってことに」        (オスカー・ライザー)
主人公 : ユリスモール・バイハン
 エーリク・フリューリンク
語り口 : 特に語り手なし
ジャンル : 漫画
対 象 : 一般向け
雰囲気 : 宗教教的な色合い

文章・描写 : ★★★★★
展開・結末 : ★★★★★
キャラクタ : ★★★★★
独 自 性 : ★★★★★
読 後 感 : ★★★★★

総合評価 : ★★★★★
よみもののきろくTOP 森博嗣の著作リスト
587. 「病いの世相史―江戸の医療事情」     田中 圭一
2010.02.11 一般書 196P 680円 2003年11月発行 筑摩書房
(ちくま新書)
★★★★★
江戸時代の佐渡にみる、医療と福祉の実態。


【100字紹介】
 人生50年というから、昔の人は短命だと考えていませんか?
 しかし実際は死者の半分は50歳以上。
 江戸時代に医者はどれくらいいて、
 民衆はどのような医療を受けていたのか?
 資料を丹念に見直して描く、新しい民衆史


一昨年だったか、何冊か「医学史」関連の本を拝読して、
昔の医療というものについて、自分が漠然と想像していたことが
いかに間違っていたかを思い知らされたわけですが、
また新たにひとつ、本を読むことにしました。
今度は、江戸の中でも佐渡の話が中心。
江戸時代、佐渡は鉱山を有するがゆえ、幕府の直轄領でした。
そのために他の土地とは異なることもありますし、
地理的にも島となっていること、鉱山で働く人が多いこと、
などなど、特徴的で面白い土地柄のようですね。

本書で主張されていることをまとめると、こんな感じでしょうか。

・江戸時代、医者の数は非常に多く、
 庶民でも気軽かつ頻繁に医療を受けていた。(第一章ほか)
・福祉も充実しており、高齢者や鉱山事故の遺族などへの
 「御救い」が行われていた。(第一章、第五章ほか)
・民衆の健康意識は高く、特に予防に重点を置いていた。
 どの家でも庭に「自家の薬籠」を持っていて、薬草を育て、
 日常的にそれらを利用していたし、(第二章)
 湯治や鍼灸も医療として盛んに行われていた。(第三章)
・「村の法印さま」は修験を通して、民衆に医療を行なった。
 特に、「気のやまい」を治す呪いは、現代でも対処が難しいものを
  うまく取り除く役割を果たしていた。(第四章)
・珪肺病などから経験的に、病には原因があるという、
 新しい科学的な医学の目が江戸時代のうちに育ってきていた。(第五章)
・これらの優れた特長を持っていたにも関わらず、
 古い時代を闇雲に否定し、西洋のものこそが優れているとする
 明治という時代に、殆どすべてが捨て去られた。(終章)

あ、第六章が抜け落ちました。
第六章は、医者になりたがり、そして実際になってしまう人々の話、
それから実際の医者・柴田収蔵の日記を抜粋して、
当時の医者の実態と、患者との関係などを描いています。

江戸時代は医療暗黒時代ではなかったし、
逆に何もかもが優れていたわけでもなかった、ということが分かります。
健康ブームとも言われる昨今は「予防」へと再び目が向けられ、
ある意味、江戸時代へ回帰している形になっています。
明治以降に漠然と、しかし根強く意識の中に刷り込まれた
「古い」江戸時代を否定することなく正しく情報を得て、
活かせる部分をうまく取り込んでいけるとよいですね。
もちろん、山のきのこや薬草を勝手に入ってとりにいく、とか
現代では問題になってしまいますからダメですけど、
きっと今という時代にあった形で、吸収できることもあるでしょう。


テーマ : 江戸の医療
語り口 : エッセイ風
ジャンル : 一般教養
対 象 : 一般向け
雰囲気 : 意外な事実だよね、と著者が驚く

文章・展開 : ★★★★★
簡 潔 性 : ★★★+
学 術 性 : ★★★+
独 自 性 : ★★★★
読 後 感 : ★★★★★

総合評価 : ★★★★★
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588. 「死体は切なく語る」     上野 正彦
2010.02.13 エッセイ 190P 1300円 2006年6月発行 東京書籍 ★★★★★
監察医による、切ない事件の思い出エッセイ


【100字紹介】
 自分を盾にした母の愛、幼い子どもが最後に見た光景、
 布団の中で凍死した孤独、自殺ではなく他殺なのだと訴える遺体、
 泳ぎの巧い人が溺死する理由―2万体の死体を検死した監察医が語る、
 切ない事件の思い出エッセイ


著者のお名前、どこかで聞いたことがあるような。
と思ったら、結構有名な方なのですね。
元・東京都の監察医で、退職後の1989年に出版した「死体は語る」が
ベストセラーになって以降、多くの著作を発表しつつ、
テレビや雑誌にも出ていらっしゃるようです。
…1929年生まれ。お元気な。

菜の花自身は、同著者の著作は初拝読です。


「切なく語る」ということで、切ない事件・事例を中心に、
30の話題を、1つにつき5ページ程度にまとめています。
1つに1つのエピソード、とも限らず、
自分の行なっていない事件を扱っているものもありますし、
自分の行なった沢山の検死事例から考えられる推測を書いているものもあります。
全6章構成で、1章に5つずつの話題が入っていますが、
必ずしも章名に合致していないものが入っていたりして、
編まれ方に若干謎が残りますが、
(たとえば、第2章「最後まで子どもを守る母親」に、
何故か母親と無関係な「男のシンボルに託した純愛」が入っていて、
逆に「自分を盾にした母の愛」が入っていないとか)
きっと、便宜上なのでしょう。
それぞれのエピソードは独立性が高いですが、
やはり最初にインパクトのある「自分を盾にした母の愛」のような
エピソードを入れたくなるでしょうし。

なるほど、と思ったエピソードは第4章の4つ目、
「スイマーの悲しい水死」でしょうか。
そうか、泳ぎがうまい人が水死してしまうのは、
そんな理由があったのか、と。
曰く、呼吸のタイミングを誤って飲み込んだ水が耳管に入り、
この水の栓が動きに合わせてピストン運動をすることで、
奥の錐体内にある乳突蜂巣の毛細血管に陰圧・陽圧が強く加わることで内出血、
これで三半規管の機能がドロップして平衡感覚が失われるため、
まともに泳げなくなるし、足がつくような浅瀬ですら溺死することもあると。
もしかしたら常識でしょうか?
菜の花は、知りませんでした。
パニック状態になるからだと思っていました。
が、泳ぎに自信がある人が、そう簡単にはパニック状態にはなりませんよね。
何事にも理由があるものなのだな、と思った次第。

他にも、うっかりおじいちゃんがお餅を喉に詰まらせちゃったら、
立膝をつき、おじいちゃんのおへその辺りに当てて、前のめりに倒し、
首や後頭部を叩きましょう、というのは、これから役に立つ知識かも。
膝で下腹部を圧迫することで横隔膜が上がって肺が萎み、
空気が喉から出て行こうとするために、詰まったものが飛び出すそうで。
後頭部を叩くのは、気管が揺れ動くから、中にあるものが落ちる、とのこと。
そうですか。確かによく言われる「掃除機で吸い出す」だと、
掃除機を用意している間に力尽きそうですものね。
それとも、普段から横に掃除機を置いておく?(えー)

…と、その辺りは全体の「切なく語る」に関係ないですが、
何だか色々、ごたまぜに思い出や考えたことを詰め込んである、
監察医エッセイでした。


テーマ : 殺人事件
語り口 : 一人称(私)
ジャンル : エッセイ
対 象 : 一般向け
雰囲気 : 事件概要と感想

文章・展開 : ★★★★★
簡 潔 性 : ★★★+
学 術 性 : ★★★★★
独 自 性 : ★★★★
読 後 感 : ★★★★★

総合評価 : ★★★★★
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589. 「学園キノ3」     時雨沢 恵一
2010.02.14 ラノベ 280P 550円 2009年6月発行 メディアワークス
電撃文庫
★★★★★
著者の趣味120%、パロディ150%含有


【100字紹介】
 著者本人による、著者の趣味いっぱい、
 奇想天外展開の「キノの旅」パロディ。
 キノが正義の変身ヒーローで、正体は女子高生だったら?
 元シリーズとは、全く違う雰囲気を楽しめる作品第3弾は、
 他作品パロディも満載。


●収録作品●
--------------------------------------------
 キノの旅第四部・学園編第五・五話
  「チャコズ・レポート〜プロローグ・オブ・学園キノB〜」― Chako's Report ―
 キノの旅第四部・学園編第六話
  「おお、会ってしまった話」― Ten Days in Japan ―
 序章
  「あめのなかで」― Rain ―
 第一章
  「彼女、来園」― Escaper ―
 第ニ章
  「すぐやる部は眠らない」― After School ―
 第三章
  「アキバの休日」― Akiba's Holiday ―
 第四章
  「戦闘開始」― Rock'n'Roll ―
 第五章
  「信頼」― Faith ―
 最終章
  「はれのなかで」― Shine ―
--------------------------------------------

もう完全に別のキャラたちのお話になっている、キノのシリーズのパロディです。
もはや違いすぎて、元のキャラを思い出せなくなりそうな勢い。

大食い一直線の女子高生・木乃。
(巻頭折込のあおり「来いよ、どのメニューも クリアーに食べきってやる」に、
 がーん!( ̄□ ̄)とショックを受けました…素敵。)
優秀で二枚目、クールで頼りになる人気者・静先輩。
静を憎む二枚目転校生・犬山ワンワン陸太郎(だからそのネーミングセンスは…!)。
しゃべるストラップ・エルメスに、
初っ端から総理と言葉を交わしていたりと、思いっきり怪しさ爆発の茶子先生。

今回は彼ら「すぐやる部」(だから何なのですか、それは…?)に
新たなる仲間が加わります。
短期留学生でヲタな美少女・イーニッドです。
…もう、しゃべる日本語はすべて、他作品なんですけど!
ここまでいっちゃうと、もはや誰も文句も言いますまいな。

イーニッドを観光に連れ出し、食べ歩き、遊び歩きをするのが前半、
そして魔物と戦う後半。
双方ともに、作者の趣味は入りまくりです。
特に…銃に関しての記述の詳細さときたら。


何というか、全編通して、ひたすら著者フィーバー!!!
…という感じです。まあ楽しんで書かれているものは、
読む人も何となく(意味は分からなくとも)楽しい気分にさせるものです。
今回は珍しく、正義のヒーローたちは確執(?)しつつも、
ちゃんと全員で一丸となって戦っていますしね。
いやあ、なかまっていいですね!(棒読み)


恒例の変なあとがきは、最初と最後に2回あることと、
それぞれ14ページと31ページあって、
会話形式だ、ってことくらいでしょうか。
結構、普通?
…って、これが普通に見えてくるって、慣らされすぎな気が。


菜の花の一押しキャラ…特になし 魔物を撃つその刹那―、キノは最後に決めゼリフ。      「目標を駆逐する!」                   魔物をロックオンして―、イーニッドは自分の好きなセリフ。 「ネライウツゼェ!」                   (キノ、イーニッド) もはや言うべきことは何も無い名場面。
主人公 : 木乃
語り口 : 著者が語る
ジャンル : 異世界ライトノベル
対 象 : 子供〜一般向け
雰囲気 : 同人誌的ノリ
結 末 : まだ続く…のかも
イラスト : 黒星 紅白
デザイン : Toru Suzuki

文章・描写 : ★★★★★
展開・結末 : ★★★★★
キャラクタ : ★★★★★
独 自 性 : ★★★★★
読 後 感 : ★★★★★

総合評価 : ★★★★★★
よみもののきろくTOP 時雨沢恵一の著作リスト
590. 「レンタルマギカ 旧き都の魔法使い」     三田 誠
2010.02.27 ライトノベル 266P 552円 2009年3月発行 角川書店
(スニーカー文庫)
★★★+
修学旅行&アストラル出張先は、古都・京都


【100字紹介】
 いつき、穂波、アディリシアたちは、京都へ修学旅行。
 これに伴い、他の<アストラル>の面々も京都出張へ。
 京都で待ち受けるのは猫屋敷が本来所属する結社<八葉>、
 そして…。平穏な日常が一転するシリーズ第15巻


オカルト系ライトノベル作品の第15巻。
14巻は色々な話を集めた短編集でしたが、
15巻で閑話休題。本編に戻ります。

修学旅行で京都へ向かういつきたち。
残りの<アストラル>のメンバーも、何故か同じ新幹線の
別の車両に乗っていたりします。
それは、猫屋敷さんの本来の所属結社<八葉>から、
社長が京都へいらっしゃるなら一度ご挨拶をしたい…、と
いつきのもとへお手紙がきたから。
以前のみかんちゃんの葛城家のときに失敗していますから、
今回は全員参加で対峙しよう、という社長命令で、
<アストラル>の京都行き決定というわけで。

が、ここで大変なことに巻き込まれます。
<螺旋なる蛇>(オピオン)も協会も絡んできて、
一体いつきはどうなってしまうのか!?

…というところまでが本巻。うあー!続くじゃないですかー!!
微妙なところで終わってるじゃないですかー!!!
あー、せんせー、次の巻ってもう出てるんですかー?


14巻を読んだのが2009年3月だったので、約1年前。
かなり久々です。
でも、久々に読んだら、結構面白かったです。
著者がうまくなったのか、菜の花が慣れたのかは知りませんが。
それにしても、次の巻が気になる気になる。
ちゃんと調べておかなくては。


菜の花の一押しキャラ…伊庭 いつき 「イツキ君を、守りに来たんですよ」(フィン・クルーダ)
主人公 : 伊庭いつき
語り口 : 3人称
ジャンル : ライトノベル
対 象 : ヤングアダルト向け
雰囲気 : オカルト
結 末 : 続く
イラスト : pako
デザイン : 中デザイン事務所

文章・描写 : ★★★+
展開・結末 : ★★★★★
キャラクタ : ★★★★★
独 自 性 : ★★★★★
読 後 感 : ★★★★★

総合評価 : ★★★★★
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